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執筆者の写真Ryotaro Kobayashi

第一回技術支援を実施しました。

日本の技術者がタイの技術者に使い方を伝授!鉄道への熱い想いが国境を超える!


 年が明け2020年1月、ついに日本から鉄道技術者の辛嶋さんの訪タイが実現しました。AS社技術者に木村さんの通訳を介して技術指導を実施しました。

 3日間の指導行程では、毎日行う点検項目、エンジンの正しい起動方法、発車前の確認作業といった始業前に実施する内容から、実際の運転操作の方法、各計器類の見方、非常時の取り扱い等、実際に線路の上を走る際に必要な内容までを座学と実学でAS社技術者へ伝えてもらいました。


 AS社の技術者のみなさんは待ちに待った説明ということもあり、必死に覚えようとメモや写真で記録し、積極的に質問をしていました。

 日本から技術者が来ると聞いていた中、ミャンマーの技術者が1日だけ来て、簡単に説明して帰ってしまったようで、この日を心から待っていたようです。

「こんなに良い状態の機関車なのに、日本ではなぜ全廃間際なのか」

「廃車から予備部品を外してもらえるのであれば、是非ほしい」

「なぜ日本では、機関車の状態を確認するためにハンマーで叩くのか」

 基本的な疑問からはじまり、


「この管はここに繋がっているのでは?」

「このスイッチはなぜ使わないのか」

 具体的な部分まで細かな点を確認していました。


 中でもエンジンを冷やすための水を貯めるタンクが空であったことは衝撃の事実でしたが、摩耗する箇所への油挿し、貨車を繋げたときに全てのブレーキが利くようにする設定方法、万が一故障した際に取るべき対処方法等が伝わったことにより、とりあえず動かすことが出来るという状態から、事故を起こすことなく安全に長く使うことが出来る状態へと飛躍的に改善され、本プロジェクトの大きな目的の一つが果たせているという実感がプロジェクトメンバー全員に沸きました。

 AS社は、寄付いただいたみなさんを含む私たちの想いの強さにより、この工事が終わっても機関車の状態によっては使い続けたいとの嬉しい発言がありました。


 AS社の主任技術者や現場監督は、二回りも年下の日本人技術者である辛嶋さんの説明に対して、横柄な態度になることなく、真剣な表情で一言も聞き逃すまいと前のめりで聞くばかりか、自身の経験を元に自らの考えを伝えながら納得がいくまで質問する熱心なところもありました。安全に走らせたいという鉄道への熱い想いに年の差や国籍は関係ないと感じる瞬間です。


 辛嶋さんが3日間2輌の機関車を確認したところ、室蘭港で3年ほど留置されていたものの、日本にある機関車よりも油漏れや水漏れが少なく、ほこりは多いが比較的状態が良いとのことで、油や水をこまめに補充すれば長く使っていけるとのことです。

「タイのみなさんがなんとか修理しようとする気持ちの強さ、熱意を感じました。何とか力になっていきたい。」

「昔の機関車は話をしてくれます。調子が悪い時、音や振動で前兆を教えてくれます。こういう機関車と長く向き合っていきたいものです。」

 

 プロジェクトリーダーの吉村さんは、「大好きな鉄道への恩返し。趣味であっても好きだという想いがあれば何でも実現できる。鉄ちゃんでも出来る国際貢献はまだまだこれから。」と言い、タイの空の下で第二の人生を歩もうとしているDD51を見つめ、第二回技術支援に向けて新しく気持ちを入れ直しました。

 本プロジェクトは3月に寄付者へのお礼として、撮影会と日本とタイの鉄道の歴史の一つ「泰緬鉄道」日帰りの旅を企画。4月に第二回の技術支援を行う予定です。


 

タイのウェブメディア「ANNGLE」さんにも掲載いただいております!

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